【コラム】vol.6 王者青森山田
2025.06.10
おはようございます。
JOKER FOOTBALL GROUP代表の村井です。
さて、今回の不定期コラム vol.6『王者青森山田』です。
現在、夏のインターハイ予選が全国各地で行われています。
市立船橋が敗退したりと、波乱がありますが、やはり1番のトピックは『青森山田』の青森県予選敗退かと思います。
以前より戦術もより発展し、部活動に投資し、経営的な面でも強化を計る学校も増加傾向で、勢いや志しのある組織が、伝統校を凌駕することも増えてきました。
勝つか負けるかで、学校経営も変わるので、学校の威信をかけての勝負です。
そもそもサッカー部の監督が校長を務められていたりするケースや、校長と、サッカー部の監督が良好な関係を築けていることも多いようにも感じます。
ご存知の通り、当グループは勝利にこだわります。正確には勝ち続けることですが。
(しかし、選手が試合にでてるのか、否か、勝ったのか、否か、ゴール奪えたのか、否か、受かったのか、否かでしか見てなかったので、吹田校の隼司コーチや、西東京の秋山コーチが「最近選手達、うまくなってるんですよね」という話しをしてくれて、あぁあんまりそういう観点で、最近俺は見れてなかったな、ちょっと反省だな、まぁこだわるけど。なんて事もありました。バランスですね。)
勝つことによって、多くの学びがあると考えています。
勝たないと全国にいけません。
全国に行くと、会場までの移動や連戦なども経験できますし、見たことのない景色や、移動の疲労や準備など、人生においても尊い経験を得ることができます。
勝つことで、生まれやすいのが“慢心”です。
勝って兜の尾を締めろという、有名な言葉がありますが、
勝った瞬間に、勝ち慣れていないチームとは
勝った後にこそ経験の差がでると考えています。
優勝に必要なことは“連勝”です。
続けて勝たないと、優勝できません。
ともいえ勝つと嬉しく、組織を円滑に回すための油を断つ危険性もありますから、そこがマネジメントとして難しいところです。
そういった様々な試練をこれまで乗り越えてきたのが『青森山田』です。
現町田ゼルビアの黒田監督がまだ在任中に、青森山田高校に足を運んだ際に、お話しお聞かせいただいたのですが、
当時とある教え子がお世話になっていて、その教え子の話しを伺ったのですが
「あぁあいつ4:30くらいから朝練してますよ」とお話ししてくれました。
あいつそんな早くからかよ…やべーなー…と私は思ったのですが、
それを知ってる、指導者もすごいと思いました。
教え子もわざわざ「俺、4:30から朝練してるんす」なんてコーチ陣に言いません。
言ったところで「だから試合に出れる、勝てると思ってんのか!」と返り討ちにされるのも想像できます。
なんというか、古風で現代に合ってないのかもしれませんが、そういうところに“美学”を感じてしまうタイプです。
あ、この前隼司コーチと成豪コーチとメニューミーティングしてるときに
「あいつら、もっとどうにかレベル上げないとと思って、3:00に起きちゃって、そこから寝れないんだわ」とか言っちゃってました(笑)
隼司コーチと成豪コーチも、大変なところ見せないのに、反省です。
自分の器を広げないといけません。
いや、たかがスクールと思うのですが、寝れない時もあるんです(笑)メンタルが弱くて恥ずかしいです。
以前コラムに書きましたが、青森山田は部活以上の存在です。
バルセロナの“mes que un club”という、クラブ以上の存在という言葉がありますが、青森山田も、まさにそれにあたる組織です。
青森山田に行くために、青森空港を使います。
空港にはお土産屋さんや、飲食店もありますので、そこでお金を使いますので、地域の発展に繋がっていきます。
人材もそうです。不祥事や事件があると、青森山田出身とか書かれてしまいますが、そう書くとPV数も稼げます。
しかしながら、青森山田出身で素晴らしい人材、世の中や人々を明るくするニュースを運んでくる人が、これまでどれだけ輩出されてきたでしょうか。
当グループにも、青森山田出身のコーチがいますが、元気よく頑張ってくれています。(いや、お前もっと頑張れよ(笑)山田出身やろが、とたまにイジりますが、イジれちゃうんですよね、ありがたいです。)
苦難があると、歯車がうまく噛み合わなくなります。
選手に良く話すのですが
「プロになりたいの?」
選手「はい」
「最初からJ1でプレーできると思う?」
選手「できないかもしれません」
「J2かもしれないよね」
選手「はい」
「Jってリーグじゃん?優勝以外に降格あるっしょ?」
選手「はい」
「残留争いのうまくいってないチームに入団するかもじゃん?そん時どうすんの?監督とか、サポーターのせいにすんの?」
なんて事を伝えます。
私が厳しいんじゃなくて、現実がそうです。
先日、とある方と会食の機会ありお話しお聞かせいただいたのですが
とんでもない額(金額は伏せます、3桁億以上です。)の負債を背負った会社のご担当をされたそうで
つまり、サッカー以外でも苦境に立たされた組織や人を助ける。そういうこともあるんです。
その方にお聞かせいただいて、確かにと思ったのが
「自分ならなんとかできる思えるかです」
というお言葉でした。
今は自信を失っている青森山田かもしれませんが、
勝つことの喜びを多く知る組織や人々でしょうし
「自分ならなんとかできる」という人々が集まっていることでしょう。
「なんのために青森山田に入ったのか」
それを今選手たちは考えている選手も少なくないかと思います。
私が変わっているのかもしれませんが、もし選手の親でしたら、息子がお役に立てなくて申し訳ない気持ちになることが想像できます。
親御さんも戦や葛藤もあることでしょう。
これまでの結果を残したのは自分じゃない。
ここからが真のはじまりなのかもしれません。
野辺地西も、全国大会出場おめでとうございます。本当にすごいです。ジュニア〜ジュニアユース年代へもアプローチされていないとできない快挙とも思うのですが、どうなんだろう。気になるなぁ。
全国の楽しさ難しさを知る組織が増えるのは、サッカー界にとって素晴らしいことです。
ですが、私は青森山田を応援します。
勝ち続ける組織も同様に、サッカー界にとって必要なことだと思っているからです。
また不定期とはなりますが、更新していきます。